藤沢の駅前にある創業31年の老舗イタリアンレストラン「バレーナ」では、食材選びに妥協をしません。私たちが大切にしているのは「素材そのものの力を最大限に引き出すこと」。そんなバレーナが自信を持っておすすめするのが、イタリア・トスカーナの名門パスタ工房 ファッブリ(FABBRI) のスパゲットーニ・トスカーニです。
ファッブリのパスタは、しばしば「生きているパスタ」と呼ばれます。その理由は単なる比喩ではなく、実際に口にすると驚くほどの生命力を感じさせてくれるからです。今回は、その魅力と私たちがバレーナでこのパスタを選ぶ理由をお話しさせて頂きます。
トスカーナの伝統を受け継ぐ職人技
ファッブリは1893年創業、トスカーナの丘陵地帯で代々続く家族経営の工房です。100年以上にわたり、彼らは変わらぬ製法を守り続けてきました。原料には有機栽培のデュラム小麦を使用し、石臼で丁寧に挽き、ブロンズダイスで成形。これにより表面がざらりとした質感を持ち、ソースがしっかりと絡むのです。
乾燥方法にもこだわりがあります。大量生産のパスタは高温で一気に乾燥させますが、ファッブリは低温でじっくりと、時には2日以上かけて自然乾燥を行います。この「呼吸するような乾燥」が、小麦の香りや風味を閉じ込め、まさに“生きている”と言いたくなる豊かさを生み出すのです。
驚くほどの食感と香り
まず包装された包み紙を開けた瞬間から香る強烈な小麦の香りに驚かされます。そして茹で上げた瞬間にも広がる香ばしい小麦の香り。ひと口食べれば、もちっとした弾力と心地よいコシが感じられます。一般的なパスタでは味わえない、生命感あふれる食感です。特に「スパゲットーニ」は太めの形状で、しっかりとした噛みごたえがあり、シンプルなオイルベースのソースや魚介との相性が抜群。噛むごとに小麦の甘みが口に広がり、まさに主役として楽しめるパスタです。
ソースを引き立てる“受け皿”としての存在感
料理人にとって、パスタはソースを運ぶ器でありながら、単なる脇役ではありません。ファッブリのパスタはソースを包み込みつつ、自らも確かな存在感を放ちます。バレーナでご提供するトマトソースや魚介の旨味を凝縮したソースに合わせると、その力が一層際立ちます。シェフが「このパスタだからこそ、この一皿が完成する」と語る理由がここにあります。
バレーナが選ぶ“本物”の理由
私たちは、ただ美味しいだけではなく「食べた人の心に残る料理」を目指しています。そこには必ず“本物の素材”が必要です。ファッブリのパスタは、素材そのものに力があるからこそ、シンプルな調理で真価を発揮します。オリーブオイルと塩、そこに少しの香草を添えるだけで一皿が成立する。余計なものを足さずとも満足感がある。それこそが「生きているパスタ」と呼ばれる所以ではないでしょうか。
イタリアから日本の食卓へ
ファッブリのパスタは大量生産できないため、イタリア国内でも知る人ぞ知る存在です。日本で出会える機会はまだ限られていますが、バレーナではその価値を皆さまに体験していただきたいと考えています。食べていただければ、きっとその違いを実感できるはずです。
まとめ
“生きているパスタ”ファッブリは、100年以上の歴史と職人の技が生んだ傑作です。その香り、食感、存在感は、まさにイタリアの伝統と自然の恵みが凝縮されたもの。バレーナがこのパスタをおすすめするのは、私たちが大切にしている「素材の力を活かす料理」の象徴だからです。
バレーナの一皿を通して、その違いをぜひ感じていただければ幸いです!