映える料理に思うこと

映える料理!

最近よく耳にするのが「映える料理」という言葉です。

SNSのタイムラインを見ていると、綺麗に盛りつけられた料理、色鮮やかなスイーツやドリンクがずらりと並びます。写真を撮りたくなる気持ちも、シェアしたくなる気持ちもよくわかります。料理は見た目も大切な要素ですし、美しい一皿には心が躍るものです。

 

アンチテーゼ!

しかし一方で、僕はいつもどこか引っかかる思いもあります。

料理は本来、写真のためにあるものではなく、「食べる人のため」にあるものだからです。映えを意識しすぎるあまり、派手な色や過度なデコレーションをして、味のバランスや美味しさを犠牲にして、見た目優先で味わいが置き去りになってしまったりすることもあります。見栄えはするけれど、食べ終えたときの余韻が薄い──そんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

イタリア料理の本質とは?

私たちが大切にしたいのは「写真では伝わらない部分」です。

例えば、トマトの酸味と甘みが絶妙に調和したソースの香り。焼きたてのパンをちぎったときに広がる湯気のあたたかさ。口に入れた瞬間に思わず笑顔になってしまう、食感や塩加減の妙。

それらはカメラでは完全に切り取れない、五感でしか味わえない世界です。

料理は、人と人とをつなぐものでもあります。仲間とワインを片手に語り合った夜。家族で囲む食卓の、ささやかな団らん。恋人と分け合ったデザートの甘さ。その時間と記憶こそが、料理の本当の魅力を引き立てているのだと思います。写真に収めることができなくても、心の奥に残る味わいは決して色あせません。

 

 

正直に向き合う!

バレーナの料理は、決して派手ではありません。

SNSでひと目見て「すごい!」と驚かれるような皿ではないかもしれません。でも、その代わりに「食べ終えた後にじんわり心に残る一皿」でありたいと思っています。

素材そのものが持つ声を大切にし、余計な飾りをせず、正直に向き合う。

そして、その料理を囲む時間が少しでも豊かになるように心を込めています。映えの時代に逆らうつもりはありません。けれども、すべてが「映える」ことに支配されてしまうのは、料理にとっても、食べる私たちにとっても、少し寂しいことではないでしょうか。

派手さではなく、静かに寄り添うおいしさ。写真よりも記憶に残る味わい。

 

 

それこそが私たちが信じる「料理の力」です。

心に響く料理!

 

 

これからもバレーナは、映えよりも「心に響く料理」をお届けしていきたいと思います。

どうぞ、五感すべてで味わいに来てください。

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